永六輔.jpg   岩波新書

テレビ、ラジオでお馴染みの永さんの本です。

職人さんの道具で、差し金という寸法を測る直角になった物差しがありますが、見習いの若者にとって最初の壁が尺貫法です。

今はだいぶセンチで教えるようになりましたが、私が弟子の頃は尺で寸法を教えられました。

大工さんで言えば、「あいうえお」じゃなくて「いろはにほへと」ですね。

弟子の頃、いつも言われた言葉に

「手ぶらで歩くな」

「目上の人の前でタバコを吸うな」

「道具を見たら仕事がわかる」

「掃除が出来ない職人は仕事が出来ない」

いろんな事をやかましく言われましたが、今思うと当たり前の事ですが、若いうちはその意味がなかなか理解できません。

これから寒くなると現場で焚き火しますが、朝早く来て、火を熾して親方衆の来るのを待つのは弟子の仕事です。

夕方、兄弟子の鏝をきれいに洗い、掃除、片付けして最後に自分の道具をしまいます。

今、こういう事をいうと若い人は嫌いますが、自分もそうだったように後で解ってきます。

前回の小嶺先生の本にもありますが、寝食を一緒にしないと身につかないことが職人の世界にもたくさんあります。

今の建設業界は職人にとっては不景気の真っ只中ですが、昔から教わった教訓を永さんにあらためて教わり、勇気をもらった本でした。

 

小嶺忠敏.jpg

サッカーで有名な長崎の国見高校の名監督の本です。

30年前、私が学生の頃はすでに有名な方でした。

昭和61年の大会から、毎年全国大会に勝ち上がってくる為の戦力を維持する人心掌握術は、今の若者を育てる立場の人には大変勉強になります。

全国から、その監督を頼って多くの高校生が下宿しながらサッカーを教わり、今ではJリーグで活躍している選手もいます。

人に何かを教えるということは、教わる人以上に教える方も苦労し、悩み、成長させられます。

我が家の3人の子育てに手を焼く父親にエールを送る1冊でした。

 

 


本田宗一郎.jpg

戦後、日本を代表する電機メーカーソニーの創業者から観た、いまや世界的な自動車メーカーホンダの創業者、本田宗一郎氏の人物像を回想した本です。
ホンダといえば、新聞配達のアルバイトで乗った家のカブ号が最初のバイクですが、そのスタイルと低燃費、経済性は定評があります。
かたや、ソニーといえばラジカセ世代の40半ばオヤジには音の殿堂、質のソニーだったわけですが、ラジカセ以前は、箱型のスピーカーとターンテーブルが合体したプレーヤーで『ナガオカレコード針』をLP盤の外側の溝に落とす事から始める時代がありました。A面を聴いたら裏返してB面を聴き、終わると針がいつまでも『プチプチ』言いながら溝を回っているというような光景が音楽の原点でしょうか?。
ソニー製のダブルカセットでも持っていようものならクラスで一目置かれるようなレベルの低い音楽環境が存在していたわけです。
日本のオートバイメーカーから世界の自動車メーカーに飛躍したホンダですが、これからも長く愛される自動車メーカーであってほしいものです。
4年前に、買ったオデッセイが、とうとう先週モデルチェンジして、ついつい移り気しそうになりますが、車も長く乗ると、愛着が湧いてきます。
ホンダの車には、運転していてレーシングを感じさせる雰囲気がありますね!
オヤジライダーにとって近所のバイク屋のオヤジみたいな偉大な実業家の本でした。

ショーケン.jpg   講談社

最近買ったショーケンこと、萩原健一さんの自叙伝です。

ショーケンといえば『前略おふくろ様』ですが、あのドラマの影響で板前志望の若者が増えたらしいですが、当時小6くらいだったと思いますが、角刈りで首にマフラー、下駄履きの板前サブちゃんに憧れた40代後半のおとーさんも多いのではないでしょうか?。

GS、俳優、『傷だらけの天使』、『太陽にほえろ』、『影武者』、『極道の妻たち』、そして『音楽』。

男の目から観て、いつも輝いて見えるショーケンの生き方には、誰にも真似のできない役者魂と音楽にかける情熱が感じられます。

秋の夜長に『前略おふくろさま』のビデオでも借りて、若かりし日の坂口良子を見てみたくなりました。(古すぎて多分無いと思います。トホホ)

 

風頭公園.jpg

長崎市の山の上に立つ坂本竜馬の銅像です。

なぜ、ここに建っているかといえば、この近くに亀山社中という竜馬が設立した日本で最初の会社跡があるからです。

 

 

亀山社中 003.jpg

この道を下って行くと寺町の通りに出ます。

明治維新の頃、竜馬がこの坂を上り下がりしたかと思うと、また違った見方が出来ますネ。

 

竜馬がゆく碑.jpg

だいぶ前に読んだ記憶がありますが、風頭公園から見える長崎港の風景に明治維新の夢を重ね合わせて眺めていたんでしょうか?。

 

蟹工船.jpg 新潮文庫

極寒のオホーツク海で操業する蟹工船で、過酷な労働に就く若者を描いた物語です。

最近の新聞記事の紹介で知った本です。

今の労働環境を象徴する言葉に『ワーキングプア』、『ニート』といった言葉を聞きますが、戦前に書かれた本の内容が、今の日本の現状に酷似しています。

話し替わって、私の店では繁忙時に人材派遣を利用します。

上は60歳過ぎの方から下は18歳の若者まで様々ですが、中には日雇いには勿体無いような器用な人材もおりますが、いかんせん本人にやる気が無いとどうにもなりません。

まっさらな二十歳前後の若者を屋根の上で即戦力に育てるには、雇う方も雇われる方も、相当な時間と我慢が要求されます。なにしろ、親に怒られる事も、叩かれる事もあまり無い世代ですから。

生きていく上で避けて通れないのが仕事ですが、自分の思い描く理想と、目の前の現実の距離は、努力次第で近つけていけると思います。

25年前の、父に弟子入りした当時の自分を、懐かしく思いだした秋の1冊です。

 

 

 

 

砂の器.jpg   新潮社

初めて読んだ松本清張の本です。

何年か前に、日曜劇場でスマップの中居クンが主演していましたが、原作とは多少、ストーリーが変わっていて、また違った見方が出ていて、良かったですネ。

推理小説の大御所によるストーリー展開で、読み出したらどんどん引き込まれます。

                                             

甍の夢.jpg

                           加藤亀太郎著   建築資料研究社

瓦屋さんの間では有名な、東京の名工の自伝です。

20年近く前、勤めていた会社から独立してまだ日も浅い、かけだしの頃、読んで感銘をうけた本です。

著者の仕事にかける思いに触れて、ただただ反省を強いられます。

先日の新聞に、浅草寺の屋根にチタンが葺かれたという記事がありましたが、1度見てみたいと思いました。

瓦屋としては、一体型本葺きで妥協して、チタンでとどめを刺される危険があります。

時代の流れに淘汰されないように危機感を持って事にあたる心構えが必要と言えます。

 

 

瓦に.jpg

                          小林平一著        春秋社

鬼瓦の名工、小林平一氏の本です。

仕事上、施工以外の製造分野の事には疎いので、作る側の人の捉え方がよく解った本です。

趣味とされておられる蝶の標本は圧巻の一言です。

 

 

千年.jpg

                         山本清一著           草思社

御存知、奈良の山本清一先生の名著です。

2年程前に、熊本に講演に来られた時に買いました。

講話の中に仕事に対する厳しさと人に対する優しさを感じたことが印象に残っています。

本の裏表紙に書かれてある『瓦ぬ心』に、勇気をもらった気がします。

瓦ぬ心.jpg         

どん底.jpg

現宮崎県知事の政治を志す以前の芸能界での出来事や、成功、挫折、復活を書いた、怒涛の笑いと涙で一気に読み終えました。

読んだ人に勇気と感動を与える1冊と思います。

職人.jpg     中公文庫

明治の東京神田で棟梁の家に生まれた著者の自伝です。

大工の修業の後、早稲田大学で建築を学び会社を設立した経緯から、明治から昭和までの職人の気質の移り変りや、企業としての変遷を記した、貴重な内容の本でした。