粘土瓦の特徴
自然素材である良質な粘土を成形、乾燥、焼成、薫化したのがいぶし瓦です。
表面の炭素膜は、素地との密着性に優れ褪色性に強く、独特の趣のある燻し銀が四季を通じて様々な表情を見せます。
耐寒性
かつて山間部では冬に凍害(剥離、亀裂)が発生し、燻し瓦はほとんど施工されませんでした。
この原因は瓦が吸収した水分が氷結しその際に膨張を起こし圧力がかかるためです。現在では、焼成温度1000℃以上で単窯、又はトンネル窯で長い時間をかけてじっくり焼き締めます。この為吸水率の少ない硬い瓦が出来、安心して採用いただけます。
耐震性
瓦屋根が地震に弱いというイメージは最近の多発する地震による家屋倒壊からきていると思います。
そのほとんどが旧建築基準法以前の建築物であり屋根の重量に対して柱や壁が弱い構造のために起きた災害といえます。
現在は、瓦の軽量化、防災機能のついた防災瓦等開発されており実物大震動実験などで十分な耐震性能が実証されています。
断熱性
瓦は住まいの中で最も過酷な状況で性能を求められる建材です。
真夏の表面温度は70~80℃、真冬となると氷点下の外気に晒されます。そんな中で室内を夏涼しく冬暖かく保ってくれます。
通気性
最近の住宅は気密性、断熱性の高い住まいが普及しています。
しかし、高温多湿の日本では十分な通気性が必要です。瓦屋根には瓦の重なり部分に空気だけが通れる道があります。この隙間が小屋裏の水分を外気に逃がし、空調による結露を防ぎます。
安全性
瓦の主原料は粘土です。
大気汚染による酸性雨、沿岸付近の塩害にも強く、浄水作用があり最近は漁礁にも応用されいずれ土に環る、人にも環境にも優しい自然素材です。
経済性
多様化する建築様式において建物の外観と回りの景観をデザインし厳しい自然環境から住まいを守る重要な役割を担う瓦は外気との温度や湿度を調節し空調設備に頼らないコストパフォーマンスの高い屋根材です。
下葺材

下地材の機能として防水性、通気性、耐熱性が求められます。
下葺きの材料して主に使われているのがアスファルトルーフィングや伸縮性のあるゴムアスルーフィングが一般的です。又、社寺等面積の広い多くの雨量を軒先まで流れる屋根には表面に突起のある塩化ビニール系のルーフィングが用いられます。
横桟木、縦桟木

瓦桟木は屋根に瓦を固定させるための大切な部材です。
野地構造、勾配、屋根材の種類に適した材質、寸法等を決めます。
特に、横桟木は夏季の下地面の熱を直接うけるため十分な耐久性が求められます。
横桟木の機能としては瓦を引掛け、ステン釘やビスで緊結する重要な役割があります。縦桟は瓦の横方向の安定を助け、縦方向の流れの通りを保ちます。
地葺き

地葺には土葺き、引掛け葺き、引掛け馴染み土葺工法があります。
土葺きは蔵等の屋根には不可欠な工法で断熱効果があり、現在も一部の地域で住宅にも採用されています。
現在、最も多く採用されているのが引掛け葺きですが野地の影響を受けやすくその欠点をカバー出来るのが瓦下に葺土を筋状に入れる引掛け馴染み土葺工法です。又、縦桟工法と併用する事により、一層地震や台風などの災害につよい屋根になります。
葺土
従来は真土、貝灰、マニラすさ、又は藁すさ、海藻糊等を現場でミキサー練りしていましたが、省力化と施工のし易さから現在は袋入りの南蛮漆喰を使用しています。
棟施工

屋根工事の最終仕上げである棟施工は長い年月に耐えうる強度と正確な納まり、建物に合った高さ、美観が求められます。
数寄屋建築にみる直線を強調した大棟、社寺における反り屋根を表現する降り棟、隅先の勢いをダイナミックに演出する隅棟、瓦職人の考えるイメージが棟の線にそのまま現れます。