先日の銅像で思い出し、探したらありました。
今の日本財団(旧日本船舶振興会)の故笹川良一氏の本です。
あとがきを読むと昭和53年発行の本でしたが、買ったのは10年近く前にブックオフで100円でした。
100円の本にしては、壮絶にして破天荒な笹川氏の人生を書いてあり、生い立ち、戦中の政治との関わり、戦後の巣鴨プりズンの獄中生活、戦後復興からの競艇事業、教育、スポーツ、文化事業への慈善活動、類まれなる才能とリーダーシップで現在の形を築いて来られた翁の情熱にただ、ただ、脱帽敬服しました。
話は飛びますが、日本経済新聞の文化面に「私の履歴書」というコラムがあり、先月はドトールコーヒー会長の鳥羽博道氏の寄稿で土曜日で終わったところですが、同氏の物語も相当なもので、ひさびさに全号読み終えました。
学者の方や、スポーツ、芸術、俳優、歌手などいろんな分野の方の現在までの出来事が、月替わりで書いてあり大変ためになりますが、特に実業家の方の半生は幾多の修羅場を潜ってこられた実体験の凄みみたいな迫力があり、飽きさせません。
鳥羽氏の実家の象眼細工の話から始まり、上京後のレストラン、喫茶店での下積み、ブラジルでのコーヒー農園での修業、帰国後の独立、開業、経営難、再興、事業継承、まさに波乱万丈、試行錯誤、初志貫徹、想像を絶する履歴の数々でした。
コラム最後の項での座右の銘が心に残りました。
「働き一両 考え五両 知恵借り十両 骨知り五十両 ひらめき百両」
常に創意工夫、アイデアとひらめきを忘れず、事業を拡大してこられた氏の半生を象徴するような言葉です。
苦労の度合いからしたら先達の足元にも及びませんが、一人の零細事業経営者として、いつ日経からオファーが来てもいいように原稿だけは準備しておきたいと思います・・・。