「子等を思ふ歌」 筑前国守山上憶良(山の上のおくら) 観世音寺(太宰府市)
瓜食めば 子ども思はゆ 栗食めば まして偲はゆ
いつくより 来たりしものそ まなかひに
もとなかかりて 安眠(やすい)しなさぬ
「反歌」
銀(しろがね)も 金(くがね)も玉(たま)も何せむに
まされる宝 子にしかめやも
大意
瓜を食べると子供のことが思われる。
栗を食べると一層子供のことが偲ばれる。
子供はどこから来たものであろうか。
眼前にむやみにちらついて、安眠させてくれることがない。
銀も金も玉も子供の愛に比べれば、どんな宝も子供には及ばない。
(評) 遠く京の都に妻子を置いて太宰府に単身赴任してきた、筑前守が詠んだ歌だったんでしょうか?まさに子は宝、旅先の私の心境を代弁してくれています・・・。