Nagasaki omura SA 2004
♪「太陽をいっぱいに吸い込んだ新車のシートの匂い爽快」♪
Brand New Honda ckb
5年くらい前の、クレイジーケンバンドのアルバムに入っていた曲ですが、その頃、この車を購入しました。
ワイド&ローなスタイルに2,4リッターのDOHC、Vtecで200馬力はワンボックスの枠を超えた、ホンダのレーシングスピリットを感じました。
そんな同じ思いをもう一人、思っていたか、いなかったか分かりませんが、1週間も違わない位の差で納車した知人がいました。今、その知人はもうこの世にいません。
知り合ったのは8年位前、子供の保育園の保護者会でした。
彼は私と同い年で、職業も住宅リフォームの会社を経営していて、何かと話が合い、何度か屋根工事も御世話になりました。
しかし同じ車を買った事は、お互い一年近く知りませんでした。それも、同じ色、サンルーフまで相談したようにオプションで付けて・・・。
ある日、保育園の行事でお互い車で遭遇し、二人して唖然とした事を思い出します。
聞くと、違うホンダのディーラーから納車したとの事、どうりで何回も行くのに会いもしないし、話も聞かないわけです。
そんなこんなで笑い話になりましたが、そんな彼が一年後くらいにこの世からいなくなるとは、想像もできませんでした。
正月前の寒い時期だったと思いますが、急死でした。くも膜下出血だったそうです。
友人からその電話を受けた時、信じられませんでした。何日か前にも、保育園の飲み会で一緒に飲んでいたからです。
思えば、自分と同じ後厄の年でした。
酒が好きで、良くスナックでカラオケを歌っていました。葬儀の時はとても彼の死に顔は見れませんでした。子供もまだ小さい時で、お互い今からがんばって行かなければ行けない時に、彼は突然いなくなりました。
しばらくはそのショックから抜け出せませんでしたが、今でも時々思い出しては、もう少しやれる事はやっていたら良かったかなとか考えますが。
彼からは仕事上、見習う事がいろいろあり、自分が持っていないものを彼は持っていました。
心優しい男でしたから、私の厄まで一緒に持って行ってくれたのかも知れません。
だとしたら、彼の分まで、働き倒さないとなりません。
あれから4年経ちますが、同じ車で、二人立ち尽くしたあの日、今でも不思議な縁(えにし)の糸の存在を感じさせるシンクロニシティな思い出です。