今月、一人去り一人入って来ました。
去ったのは、技能検定を棄権した、見習い一年の今年二十歳の若者です。
入って来たのは、ハローワーク経由の30代の青年です。屋根の仕事は初めてですが、真面目にこつこつ、働いてくれます。
今の会社形態になって15年になりますが、今までに、来ては去って行った見習い希望の若者は30人以上いると思います。それも一年以内に辞めて行くパターンがほとんどです。
履歴書の経歴欄には記載しきれない位の会社名、ついつい裏面まで見てしまいそうになります。
新規入職者を離職者で割った、「ケツ割り率」「尻焼け率」、店の規模に反比例して、かなりの高ランクにつけています。
ハローワークの紹介件数も、うどん屋さん並みの回転率、滞在時間、真央ちゃんの3回転半、年間トリプルアクセル状態と自負するところデス。
雇用保険の手続きで、時々職安に足を運びますが、この不景気の影響で駐車場はいつも満杯です。
雇う側としては、やる気さえあれば難しい仕事では無いので、簡単な面接の上、見込みのありそうな若い方を採用していますが、最近感じる事は、意思疎通が上手く出来ない人が多いと言う事です。
多分、携帯の影響が大きいと思うんですが、時間があれば、常に携帯で友達とメールのやり取りに明け暮れ、どうかしたら重要な用件もメールを送って来る始末です。
会話で意思が伝えられない、話を順序立てて話せない状況です。
18、19、20代前半の部下を持つ上司の方で、同じ経験をお持ちの方もおられると思います。
会話しようにも自分の回りに壁を作ってしまい、「社内引きこもり」、「現場内閉じこもり」状態です。
こうなると逆に、掴みかかって来る位の元気があれば、分かり易くて良いんですが、それも期待出来ない様な、今風に言う「草食系」男子が多いんです。
二十歳前後の若手の場合、両親の年齢も自分と同じ位の方が多いんですが、どうかしたら、腫れ物に触るように、子供の顔色を伺いながら、遠慮がちに相談される御家庭もあります。
それぞれの家庭の方針ですから、それ以上は言えませんが、なんか違う気がします。
怒られたり、殴られたりする事が無くなってしまった分、その免疫がないまま、職場で他人に怒鳴られるのは、精神的に相当なショックだと思います。
それでも現場では、一切手加減しません。本気で怒り、本気で張り倒します。
その昔、「寺内貫太郎一家」という小林亜星さん主演のドラマがありましたが、あれ位の違う意味での「家庭内暴力」があって当然だと思います。
話の最後は、オヤジが卓袱台をひっくり返し、息子の西城秀樹と乱闘となるお約束です。今は卓袱台も存在しませんが。
あの有名なムツゴロウさんも、メスのライオンの警戒を解く為に、前足の爪で血だらけになって一緒に戯れていました。
(下手したら、松島トモ子になります・・・)
喧嘩したから解り合える、殴りあったから仲良くなれたというのもアリだと思いますが、今はその元気さえ見当たりません。
仕事の面白さを覚える前に、辛さ、苦しさだけが残って辞めて行く若者が何と多い事か。
ハーフパイプの「腰パン王子」の、失敗を恐れなかったダイナミックなパフォーマンス、千葉の「レゲエ王子哲ッチャン」の、無敵のリングファイト、両者にはキラリと光る物が確かにありました。
「 ファイヤ~~ ! ! 」 BY 大仁田厚 (県知事選惜しかったです・・・)