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先日、今年度後半に着工予定の本堂の既存解体工事の前に、鬼瓦の撤去、保管を依頼されましたので、出かけて行きました。

 

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合計10個の鬼を割らないように用心した作業になります。

 

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赤土を練ったタタキ(三和土)とモルタルでガチガチに固めてあり、大バールで慎重に取り外しました。

 

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長年屋根の上で、暑さ、寒さに耐えながら座っていてくれた鬼瓦に敬意を表したいと思います。(笑)

この鬼は、形、状態も良く保っていて、もう一度焼いて、燻しをかければまだまだ使えます。

今の住宅建材の中で、瓦は永久に廃棄物になり得ない、地球に優しいエコ製品ですネ!

 

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初めて読んだ松本清張の本です。

何年か前に、日曜劇場でスマップの中居クンが主演していましたが、原作とは多少、ストーリーが変わっていて、また違った見方が出ていて、良かったですネ。

推理小説の大御所によるストーリー展開で、読み出したらどんどん引き込まれます。

                                             

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                           加藤亀太郎著   建築資料研究社

瓦屋さんの間では有名な、東京の名工の自伝です。

20年近く前、勤めていた会社から独立してまだ日も浅い、かけだしの頃、読んで感銘をうけた本です。

著者の仕事にかける思いに触れて、ただただ反省を強いられます。

先日の新聞に、浅草寺の屋根にチタンが葺かれたという記事がありましたが、1度見てみたいと思いました。

瓦屋としては、一体型本葺きで妥協して、チタンでとどめを刺される危険があります。

時代の流れに淘汰されないように危機感を持って事にあたる心構えが必要と言えます。

 

 

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                          小林平一著        春秋社

鬼瓦の名工、小林平一氏の本です。

仕事上、施工以外の製造分野の事には疎いので、作る側の人の捉え方がよく解った本です。

趣味とされておられる蝶の標本は圧巻の一言です。

 

 

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                         山本清一著           草思社

御存知、奈良の山本清一先生の名著です。

2年程前に、熊本に講演に来られた時に買いました。

講話の中に仕事に対する厳しさと人に対する優しさを感じたことが印象に残っています。

本の裏表紙に書かれてある『瓦ぬ心』に、勇気をもらった気がします。

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長崎市寺町にある黄檗宗のお寺の鼓楼の改修工事です。

 

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大屋根の軒巴が押し出されて落ちる恐れがあり、早急に手当てすることになりました。

 

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掛巴の釘が錆びて膨張し、割れていました。

 

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降り棟も下側にずれて危ない状態です。

 

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降り棟より内を葺き直す事にしました。

重要文化財のため最低限の改修と工期と予算しかなく、悩むところですが、扱う箇所がどんどん増えてきます。

降り棟は全体が滑ってるので軒巴をビスで固定して、登り付きに半端を入れてなんとか済みそうです。

 

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聞いた話では、奈良の葺師の方の仕事らしいのですが、棟反りの出し方に特徴のある勉強になった屋根でした。

 

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横に建っている大雄宝殿です。

 

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大棟は、まさに中国がルーツの、禅宗仕様といったところでしょうか、圧巻です。

 

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山門のダイナミックな隅棟です。

捨て熨斗の代わりに素丸を使用しています。

いつか、この方法で試してみたいと思います。

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現宮崎県知事の政治を志す以前の芸能界での出来事や、成功、挫折、復活を書いた、怒涛の笑いと涙で一気に読み終えました。

読んだ人に勇気と感動を与える1冊と思います。

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明治の東京神田で棟梁の家に生まれた著者の自伝です。

大工の修業の後、早稲田大学で建築を学び会社を設立した経緯から、明治から昭和までの職人の気質の移り変りや、企業としての変遷を記した、貴重な内容の本でした。

 

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全部で8巻まである長編で、あまりの長さに途中で読むのを諦めかけた本です。

本願寺の中興の祖蓮如の物語ですが、間を空けて読むとあらすじを忘れてしまい、後戻りしながら1年以上かかって読んだ思い出があります。

 

北の王国.jpg     学陽書房

戦国大名、上杉景勝の軍師、直江兼続の生涯を書いた本です。

確か、来年の大河ドラマの主人公になったと思いますが?。

今年の『篤姫』は最初から見落としたため、ほとんど見ていません。

年末の総集編だけで終わりそうです。

 

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ハードボイルドの大御所、大藪春彦の有名な作品です。

20代の一時期、かなりはまって読んだ時期があり、『汚れた英雄』、『野獣死すべし』、『伊達邦彦シリーズ』を読破、この中で出てくる銃器、ナイフ、車、バイクの綿密な描写、暴力、アクション、スピード、鍛えた肉体。

中でも、この『甦る金狼』と『野獣死すべし』は故松田優作主演で映画にもなった作品です。

昼は平凡なサラリーマンが、夜は体を鍛え上げ、会社の闇の部分を暴き、最後に会社を乗っ取るといったストーリーだったと思いますが当時の私に読書の楽しさを教えてくれた作家の1冊です。

国家の品格.jpg     新潮新書

品格が話題になった頃のベストセラー本です。

この前の池波正太郎さんの本と通じるものがあります。

本の帯に『すべての日本人に誇りと自信を与える画期的日本論』とありますが、欲深い煩悩の多い私には、相当道のりの遠い世界の格言が込められていました。

 

 

男の系譜.jpg     新潮文庫

初めて読んだ池波正太郎さんの本です。

織田信長から始まり、西郷隆盛で終わる著者による人物評とその時代の男の生き方を書いた内容ですが、今と昔の男の男らしさ、生き方、死のありようを考えさせられるエッセイ風指南書です。

 

 

家族力.jpg     文春文庫

同じく、山本一力さんの自伝的エッセイ集です。

高知での幼少時代から東京に引っ越してから新聞販売店に住み込んでの学生生活は多くの場面で共感できました。

私も、中学、高校の数年間、自転車で新聞配達した経験があり、その時の思い出が甦りました。

昭和50年代前半の話ですが、当時、70軒ほどの家を自転車で配達するわけですが、冬場、5時すぎに起きて、隣町まで新聞を取りに行き、暗いうちから配り出すわけですが、田舎の70軒の範囲は広く、70部の新聞の重量と坂道の自転車はかなりな重労働でした。

それも、同じ新聞ばかりではなく、長崎新聞に、朝日、読売があり寝ぼけていると間違い、次の日怒られます。

配る最後の方の家になると日も昇って、早起きのお爺さんが不機嫌な顔で家の前で待ち構えています。

雨の日は、今と違って、手作業でナイロン袋に入れてから出かけていました。

高校に入ると、原付の免許を取り、家のカブにコンテナを積んで配り始め、だいぶ楽になりましたが。

当時の、お金で2万円位になったと思いますが、ガソリン代を引いた残りがこずかいとバイク資金です。

あの時、お金を稼ぐということの厳しさを思い知りました。

後半の、母親の他界と、あかね空を書いたいきさつ、事業の失敗、再起して家族でひとつになり生きていく様は想像を絶するものでした。

今年のお盆も過ぎ、1週間もすると母の4回目の命日です。

母が元気な頃、家の畑で獲れた野菜をリヤカーで行商に行っていました。

今頃の暑い夏休みの日、朝から姉と後から押して手伝い、昼前に何十円か小使いをもらい、途中でアイスを買い、来た道を二人で帰ったことを思い出します。

あの時のリヤカーを引く母の背中が教えてくれたことをつくずくありがたく思い出したお盆の1冊でした。

 

 

 

 

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先述の『あかね空』と同じく山本一力さんの時代小説です。

江戸時代の飛脚を生業としている者同士の意地を賭けた駕篭かき勝負の物語です。

深川の下町の情景描写が上手く描かれた一冊でした。 

 

 

 

9月も、山口にもう一現場、仕事することが決まりました。

120坪の方形の本堂で一体型本葺きです。

 

 

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いつもの、経の巻の鬼と違って数珠掛海津鬼のため、棟反りを普通に鳥居で作ってしまうと鬼とマッチしないと思い、少し考えました。

 

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4分の1の鳥居を8分の1の位置に替えて他を1つずつ外側にずらしてみました。

 

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今回、初めて破風に千枚袖を使用しましたが一般的な箕の甲とはまた違った感じになります。

自分的には、鳥衾がほしいところですが。

 

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出来高60パーセントといったところでしょうか?。

8月末、完工予定です。

 

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今日、7月7日から明善寺本堂にかかりました。

正面、流れの不陸もほとんど無く胴縁の横桟木だけで済みました。

 

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今回は、三州産粘土瓦53判を使い、軒は3,5寸万十、箕甲部は、千枚袖の予定です。

破風の桁行きが短く、流れの真ん中近くまで入った屋根です。

 

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破風が手前で落ちていたため、妻側に雨を流す駒落ちにしました。

 

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素丸2本葺きで素葺き完了です。しかし、連日の猛暑日でウンザリしますが、漆喰もあっという間に乾くため、置きながらの施工です。

 

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鬼は数珠掛の海津鬼です。

台熨斗2段、割熨斗6段、亀衾の仕様です。

 

 

 

 

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今日は、いつも御世話になっている太宰府天満宮の山門と文書館の屋根掃除と点検に行って来ました。

春と秋、年2回行っていますが、春に行ってなかったので、お盆も近いので早朝から、ハシゴとブロアー持って出動です。

 

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門の横に樹齢何百年の楠の木があり、半年で素丸の高さまで枯葉が積もります。

 

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7年前、工事した時に派手すぎた足も、かなり色褪せていい感じになってきました。

 

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続いて文書館に移り、樋掃除です。

角樋に、目一杯枯葉が詰まり楓が芽を出していました!!

 

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樋が植木鉢状態だったので床下にあった古鬼に植え替えて庭に飾ってみました。

これでも、立派な癒し効果があるエコ観葉植物になります。

 

 

 

 

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三州産本葺き9寸平使用

大棟経の巻1尺3寸、降り棟1尺2寸、隅棟1尺1寸

 

 

 

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山門に鐘を吊った楼門様式の建物でした。

6月から7月の工期で雨に泣かされました。

すぐ近くが海岸で塩害、また高さが高い為、台風による強風の影響を考えて、施工しました。