文豪幸田露伴の次女の方の書かれた二冊の本です。
幸田露伴といえば「五重塔」は以前書きましたが、私には少し難かし過ぎました・・・。
父の露伴の晩年に一緒に過ごした日々を追憶した本が右の本ですが、躾には相当厳しかったそうです。
掃除の後の「あとみよそわか」と言う言葉は、なるほどと感心させられました。
もう一冊の「木」は、北海道の蝦夷松から、屋久島の杉までエッセー風に書かれた本です。
著者の木に対しての造詣の深さ、広さは父のDNAでしょうか、それぞれの木の特徴をわかり易く紹介しています。
仕事柄、少しは知っておかなければならない分野ですが、社寺の建築にはいろんな種類の木が使われています。
檜、欅、ひば、杉、下で宮大工さんがかんなをかけると、木の香りが漂ってきます。
本の帯に書いてあった文章を少し紹介します。
木は口もきかず歩きもしない 慎み深いものだが、なじみ親しむばかりが木との交際ではない。
(中略)はからずも樹木の惑わしを垣間見たような気もした。
これだから少なくも一年四たび、四季の移り変りを知るのはものの基礎だといえる。(本文より)